「内視鏡バイブル」 医療従事者を目指す人へ~内視鏡の仕組みを知ろう

医療従事者を目指す人へ~内視鏡の仕組みを知ろう

口から食道、胃、腸を通り肛門までつながっているのが消化器官だ。
消化器官では食物の消化、吸収を行う。この消化器官の病気を調べたり、病気を治療するのに欠かせないのが内視鏡である。
内視鏡を使えば、消化器官の中をリアルタイムで観察することができる。そのため検査精度が非常に高く、消化器官の検査方法として広く普及している。
医療従事者であり、内視鏡室での勤務を希望しているならば、内視鏡の仕組みを理解しておくとよいだろう。

内視鏡は、検査・治療する臓器により種類が異なる。
臓器を観察するビデオスコープと、内視鏡がとらえた画像を表示、また記録するビデオシステム本体とで成り立つ。

ビデオスコープは、内視鏡先端を操作する部分と挿入部に分かれる。挿入部の先端は自在に曲げることができ、超小型高性能CCDカメラによって器官や臓器の中を隅々観察できる。
操作する部分から処置具を通して内視鏡の先端から出し、ポリープを切除したり、検査のための組織採取を行ったりする。
ビデオスコープの先端には、血液や粘液を除去するための水や空気を送り出すシステム、体内を照らすライトガイドなどが組み込まれている。
ビデオシステムには、モニターのほかに、吸引、水や空気を送り出す機能がついている。

コンパクトながらさまざまな機能が凝縮しているのが特徴だ。
内視鏡の進歩は目覚ましく、高精細画像のハイビジョン内視鏡も誕生している。
開腹手術よりも出血やダメージが少ない内視鏡治療は、今後も大きく進歩していくことだろう。